大阪府吹田市の万博記念公園に付帯していた遊園地『エキスポランド』
1970年に開催された大阪万博のアミューズメントゾーンとして作られ閉幕後、1972年3月15日に営業を再開して2009年2月に閉演した遊園地です。
このエキスポランドでは2007年に脱線事故が起き客足が減少し閉演の原因になったと言われています。
今でもこのエキスポランドの事故はネット上でも語られている事件であり詳細を知りたい方が多いようです。
エキスポランドの事故の詳細は?
ジェットコースター脱線事故の原因は?
負債額は?
エキスポランドのジェットコースター脱線事故についてまとめてみました。
Contents
エキスポランドのジェットコースター脱線事故の詳細
2007年5月5日に発生したエキスポランドジェットコースター事故から、本日で丸13年となります。
その後、エキスポランドが閉園するきっかけにもなった痛ましい事故でした。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げます。https://t.co/44IMrKut1b
— Enjoy EXPO (@enjoy_expo) May 5, 2020
2007年5月5日の午後0時50分ごろにエキスポランドにあったジェットコースター『風神雷神II』の脱線事故が発生し2両目にいた女性客が車両とレールの左側の手すりに挟まれ死亡する事故が起きました。
この事故で無くなったのは当時19歳の滋賀県東近江市の会社員だった小河原良乃さん。
そして小河原さんの友人の滋賀県豊郷町の古川小百合さん。
他にも11~45歳の計18名が軽傷を負い病院に運ばれました。
何故このような事故が起きてしまったのか?
事故の原因について見ていきましょう。
エキスポランドで起きた事故の原因は部品の金属疲労
ジェットコースター『風神雷神II』の脱線事故により2名が死亡した悲惨な事故。
何故このような事件が起きてしまったのか?
コースの全長は約970mで終点手前の約250mあたりで停車しその手前の30m付近で車輪が落下していたようです。
風神は、終点手前約250メートル付近で停車。その手前約30メートル付近で車輪などが落下し、さらに約240メートル手前の急降下が始まる付近で、ボルトが付いた車軸左側の先端部(こぶし大)が落ちていたという。捜査本部は終点手前約520メートル地点で、車軸が折損した疑いがあるとみて調べている。
引用元(朝日新聞)
ジェットコースターだからメンテナンスは日々やってるだろと思いがちですがこのメンテナンスがかなりずさんなものだということが分かっています。
今回の事故では、2両目の前部左下にある車軸の一部が破断し、車輪が脱落したとみられている。車軸は直径5センチ、長さ約40センチで、合金材「SNC」製という。92年の営業開始以来一回も交換されていなかった。
引用元(朝日新聞)
このことから車輪を15年間交換せずに使い続けたことで事故の原因は金属疲労ということが判明しています。
そしてエキスポランドのメンテナンスは2007年1月に行っていたようですが目視点検という手抜きのチェックだったことが分かっています。
また金属疲労で破損した部分はメーカーに注文すればすぐに取り寄せることが出来たにもかかわらずエキスポランドはそれを怠りこの悲惨な事故が起きてしまったという事です。

エキスポランドは事故により業務上過失致死傷に問われている
エキスポランドは事故により経営者は業務上過失致死傷罪と建築基準法違反に問われています。
裁判ではメンテナンスに不備があったにも関わらず点検結果が良好であると虚偽の報告をしていた疑いも持たれこれが裁判では大きな争点となりました。
裁判の結果、エキスポランドの検査担当取締役と施設営業部長には禁固2年、執行猶予4年が言い渡されています。
そして罰金40万円が課せられエキスポランドの技術課長には、点検結果を正しく報告しなかったとして罰金20万円が言い渡されたようです。
裁判にて検察側は
『定期検査で車軸を外して検査していれば事故は防げた。設置以来一度も交換していない車軸に傷があることを予想するのは可能だった』
と指摘しています。
エキスポランドの事故で無くなった被害者はとても優しい性格
エキスポランドの脱線事故により亡くなった小河原良乃さんは同僚6人でエキスポランドに遊びに来ていました。
そこで『風神雷神II』に乗るときに後ろに親子3人が並んでいたそうです。
そして自分が乗り込む番になり小河原良乃さんと古川小百合さんそしてあと1名の同僚が乗り込もうとした時に先頭車両には4人しか乗れないようになっていた事に気づいた小河原良乃さんは後ろの親子3人に先頭車両を譲ります。
そのことで脱線してしまった車両に乗り込んだ小河原良乃さんは事故により死亡してしまったという事です。
このことを親子の父親は
『自分たちが2両目に乗っていたかもしれないと思うといたたまれない気持ちになる』
と語っていて小河原良乃さんのとても気遣いが出来る優しい性格によりこの事故に巻き込まれ死亡してしまったという事になるのですが、何とも言えない気持ちになりますよね。
エキスポランドは事故により負債総額約16億円
エキスポランドはジェットコースター『風神雷神II』の脱線事故により客足が例年の2割以上減少し2007年12月10日から休園しています。
そして営業再開が見込めず2008年10月28日に民事再生手続の開始を申請していたようで負債総額は約16億円だったようです。
そして2009年2月9日に閉園することを決め破産手続きを行っています。
メンテナンスの怠慢が原因で莫大な負債を背負ったエキスポランド。
きちんと部品を交換していればこのような悲惨な事故が起きなかったというのは言うまでもありませんが、事故により若い女性の命を奪い負債まで抱えることとなった訳です。
エキスポランドはこれまでにも様々な事故を起こしている
エキスポランドの事故に関しては『風神雷神II』の脱線が有名なのですがそれ以前にもエキスポランドでは事故が発生していてこれだけではありません。
どのような事故が起きたのかをまとめましたのでご覧ください。
エキスポランドで起きた事故①【Gフォース】
『風神雷神II』の脱線事故の約1年前にもエキスポランドでは事故が発生しています。
それは『Gフォース』というゴンドラが回転する絶叫マシーンで起きています。
2006年8月20日にその『Gフォース』が水平状態で突然停止して乗っていた9名が閉じ込められるという事故が発生。
停止した場所が地上9.7mの場所だったので救助に25分ほどかかっています。
原因に関しては乗客がゴンドラに乗っている時に重心に偏りがあったことにより安全装置が作動したとも言われているようですが原因は解明されていません。
エキスポランドで起きた事故②【ワイルドマウス】
『風神雷神II』の脱線事故により休園していたエキスポランドが営業開始した初日に小型コースター『ワイルドマウス』で事故が起きています。
2007年8月10日にその『ワイルドマウス』が緊急停止したのです。
発車直後に車両を最も高い位置まで引っ張り斜面を上る際に、コンピューターの不具合が起こったとのこと。
『ワイルドマウス』は、安全装置が作動した事で緊急停止となったのです。
そもそも大惨事の事故が起きた翌日にまたこのような事故が起きたことでエキスポランドはマジで大丈夫なのかと思った人も多かったことでしょう。
エキスポランドで起きた事故③【OROCHI】
2007年9月15日に宙吊りコースター『OROCHI』で事故が発生しています。
この時は『OROCHI』は通常運転をしていて1周終えて戻ってくるときに安全ベルトを外すアナウンスが流れた時に止まることなく2周目を走ろうとしてしまったのです。
安全装置が作動したことで緊急停止し乗客にケガは無かったようですが、もし乗客が安全ベルトを外しそのまま走ってしまったら大惨事です。
この原因はセンサーの誤作動だったと言われていますが、これもエキスポランドはちゃんとメンテナンスしてたのは疑問を抱きます。
エキスポランドで起きた事故④【バックスピン】
最後は急流すべりのアトラクション『バックスピン』
2007年10月7日にこの『バックスピン』でも事故が発生していてボートに乗っていた小学生の男の子が最後の急流を降りた後にボートの縁に頭を打ち付け救急車で運ばれるという事故が起きています。
この事故に関してはボートに乗るときに安全ベルトが伸びていたというのが事故の原因だったようですが何故安全ベルトが伸びていたのかはエキスポランド側は不明と語っています。
これもエキスポランド側のメンテナンス不足であるのは否めませんし、子供の保護者も不信感を抱いたことでしょう。

まとめ
エキスポランドのジェットコースター脱線事故をまとめましたがメンテナンスのずさんさが巻き起こした事故であり過去にもいくつか事故があったようです。
エキスポランド以外の場所でも事故があったりはしますが、遊びに来て亡くなるなんてこんな悲しい事はありません。
運営側はこのような事故が起きないようにしっかりとメンテナンスをしてほしいですよね。